中古車のETC/そのまま使えるの?再セットアップってなに?

ETC 中古車

みなさんこんにちは。埼玉県のミニバン中古車専門店、ラインアップ代表の菊池です。

中古車を購入する際に気になるのが「ETCの有無」。

最近では新車にはじめから付いていることが多くなりましたが、普及以前は後付けが当たり前で、中古車を買い替えるたびに載せ替えるユーザーもいます。

「買った中古車に付いているETCってそのまま使えるの?」「再セットアップってなに?」など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、『中古車とETCで注意する点』について分かり易く解説したいと思います。

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まずは初歩:「ETC」とは何か?

普段高速道路など有料道路を使わない、あるいは免許取り立てで経験の少ない方のために説明しますと、ETC(Electronic Toll Collection)とは自動車に搭載した「ETC車載器」とETCレーンの無線通信による「料金自動徴収課金システム」です。

料金所では大抵、「ETC」と書かれたレーン(出入口)と一般レーンに分かれているか、ETC/一般共用レーンが設置されています。

ETCレーン

車載器に差し込まれた「ETCカード」に問題が無ければ開閉バー(最近は無い場合も)が開き、減速するのみで停止せずに料金所を通過でき、利用する曜日や時間帯などによってはETC割引、災害時には無料通行などの恩恵も受けやすいとメリットは多数。

混雑している一般レーンを尻目に、ETCレーンをスイスイ通過するのを一度体験してしまえば、もうやめられないほど便利です。

近年では有料道路の料金徴収以外でも駐車場などでETCを有効利用しようと「ETC2.0」という新規格も登場したので、今後さらに利用できる範囲が拡大するかもしれません。

2000年から一般車の利用が始まっているので既に20年近い歴史があり、中古車を購入したらもうETC車載器がついていたり、前の車からETC車載器を外して次の車に載せ替えるケースも増えていますので、次はその点について詳しく説明していきます。

買った中古車に初めから付いてるETCはそのまま使えるの?

購入した中古車に付いていたり、載せ替えたETC車載器はそのまま使えるのでしょうか?

ETC車載器 中古車

結論から言うと、前オーナーが使用していたのであれば、ETCカードを挿せばそのまま使うことが出来ます。

ただし、ETCレーンを通過する車はカメラで撮影されていますから、不正通行など行えばバレてしまいます。

実際にはETC車載器の情報を書き換える「再セットアップ」という作業が必要になりますが、なぜそれが必要なのか、やらないと何がマズイのかを説明しましょう。

再セットアップが必要なケース

ETC車載器の再セットアップが必要なのは、どのようなケースでしょう?

購入した中古車にETC車載器が付いてきた、あるいはついていない中古車に元の車のETC車載器を取り付けるなら、基本的には再セットアップが必要になります。

車の情報がETC車載器に正しくセットアップされていない場合、ETCシステム利用規程違反となるほか、正しい通行料金が徴収できないなどさまざまな問題があるからです。

購入時以外でも、NEXCO西日本の「よくあるご質問」では以下のケースで再セットアップが必要としていますので、紹介しましょう。

1.ETC車載器の取り付けられ車両のナンバープレート(自動車登録番号標及び車両番号標をいいます。)が変更になった場合

引っ越し、希望ナンバーへの変更、車を改造して5ナンバーから3ナンバーや8ナンバーなどに変わった、あるいは軽自動車(基本的には黄色ナンバー)から登録車(同、白ナンバー)に変わった場合その他、車の所有者が同じでもナンバープレートが変更になるケースです。

2.ETC車載器が取り付けられた車両をけん引できる構造に改造した場合

ミニバンやSUVなどで、ヒッチメンバーを取り付けてキャンプ用や船を乗せたトレーラーなどをけん引可能なように改造後、再セットアップせずにけん引するとETCレーンの開閉バーが開かず、バーが無いレーンでも正常通過と認められません。

3.ETC車載器を他の車両に付け替えた場合

ETC車載器にセットアップされた情報と車の情報が異なるのは、先に書いたようにETCシステム利用規程違反です。

(再)セットアップってどこで出来るの?費用は?

中古車のETC車載器をセットアップする場合、車を購入した店舗自体が行うか、購入した店舗が他へ持ち込むか、あるいはユーザーがまた別な店舗で作業してもらうか、いくつかのパターンがあります。

また、載せ替えや新規取付の際は取り付け料金が店舗や車種によっても異なるので、中古車販売店に依頼するなら、ETC車載器関連の料金は必ず見積もりに含めてもらいましょう。

参考までに、中古車の車載器を再セットアップする場合、カー用品店などで3,000円前後で行えます。

セットアップしないで使うとなにかマズイことがあるの?

正常なセットアップ(再セットアップ)が行われていないと、以下の問題が生じる場合があります。

ETC 開閉バー
  • ETCレーンの開閉バーが開かなかったり、正規のETC利用と認められない。
  • 正しい通行料金の徴収ができない。
  • ETC利用照会サービスで利用状況や料金などを照会できない。
  • 時間帯割引など各種ETC割引が適用されない。

この中で一番マズイのは「正しい通行料金の徴収ができない」ことで、それを悪用して通行料金を安く済ませようと不正を行って摘発されるケースもありますが、中古車の場合は不正なセットアップに気づかないまま利用してしまうかもしれません。

仮に、中古でミニバンを購入したのに、付いてきたETCが軽自動車でセットアップされていたら?

道路整備特別措置法第24条第3項に基づき「不正通行」とされ、同法第26条で「免れた通行料金と割増金(免れた通行料金の2倍に相当する額)を徴収する」と決まっており、重い割増通行料金を取られてしまいます。

さらに、同法59条に基づき刑事罰(30万円以下の罰金)が課せられるなど、「再セットアップしなくとも使えるからいいだろう」で放置しておくのは何のメリットもありません。

また、ETCを使って有料道路を走行した場合は当然その場で領収証が発行されませんが、ETC利用照会サービスで「利用証明書」の発行が可能です。

仕事で有料道路を利用して通行料を経費として請求する時、利用証明書が無いと請求できない場合もありますから、そのためにも再セットアップは必要となります。

ETC車載器の再セットアップを行う際に必要な物

中古車に付いてきたり、以前の車から乗せ換えたETC車載器の再セットアップには、以下の物がが必要になります。

  1. 名義変更後の車検証
  2. ETC車載器本体
  3. 委任状

中古車販売店で直接再セットアップできる場合、本人が来店していますから委任状は不要で、車検証と車載器も店舗で確認するのでユーザーが準備する物は特にありません。

中古車販売店が他に持ち込みで再セットアップする場合だけは、ユーザーからの委任状が必要です。

まとめ・持っているETCカードはそのまま使えるの?

ここまでで車載器の再セットアップを要するケースとその必要性、再セットアップを行わないと、最悪の場合犯罪となってしまうケースまで紹介しました。

最後に、「車やETC車載器を買い替えた際にETCカードも替える(新たに取得し直す)必要はあるのか」について。

法人の場合

法人向けにNEXCO西/中/東日本が発行する「ETCコーポレートカード」は、カードに記載されたナンバーの車でしか使えませんから、法人用途で中古車を買う場合は新たにカードを発行する必要があります。

個人の場合

それ以外の個人用ETCカード、クレジットカード会社が発行してカード払いで通行料金が請求される「ETCクレジットカード」や、各有料道路の管理会社が発行して金融機関の口座から引き落とす「ETCパーソナル」カードではどうでしょうか。

これらの個人用ETCカードは「誰に請求するかを明らかにしているだけ」なので、どの車、そのETC車載器で使っても問題は無く、発行し直す必要はありません。

ETCカード

購入した中古車についたまま、あるいは前の車から載せ替えたETC車載器でそのままお持ちのETCカードを使えますから、手続きが簡単で多額の料金がかかることも無い再セットアップを済ませてしまい、安心して車を使えるようにしましょう!

今回の記事はいかがでしたでしょうか?

この記事があなたの車選びに少しでもお役に立てば嬉しく思います。

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