【裏側密着】中古車販売店はどう仕入れる?オークションから店頭に並ぶまで全工程を解説

【裏側密着】中古車販売店はどう仕入れる?オークションから店頭に並ぶまで全工程を解説

みなさんこんにちは!埼玉県にある「ミニバン専門店ラインアップ」代表の菊池です。

「同じ年式・走行距離でも、当たり外れが大きい」のが中古車です。

その差を生むのは販売トークではなく、仕入れと仕上げの基準で決まるのです。

本記事では、ミニバン専門店が実際に行っている中古車仕入れの全工程を時系列で公開します。

オークション前夜のリストアップから会場での下見、買わない判断の理由、仕上げ工程、そして展示までを徹底解説します。

中古車購入を検討している方は、本記事を読むことで「どんな店で買うべきか」の判断基準が明確になるでしょう。

▼動画でも解説してます▼

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結論|「仕入れで外れを避ける店」は在庫が増えにくい(でも安心度は高い)

中古車の仕入れにおいて、最も重要なのは「外れを掴まない」という姿勢にあります。

相場が上がると買える台数は自然と減少し、実際に2週間から3週間で高騰することも珍しくありません。

「台数を増やす」より「外れを掴まない」を優先すると、結果として仕入れは厳しくなります。

しかし、この方針が店頭品質やトラブル率に直結しているのです。

実際、19台をリストアップしてオークション会場へ向かい、入札したのは半分以下、結果として仕入れたのはわずか1台、翌日は0台という日も珍しくありません。

この数字だけ見ると、効率が悪いように感じるかもしれません。

しかし、こうした厳選こそが「来店したお客様に綺麗だねと言ってもらえる」品質を支えています。

中古車はどこで仕入れる?(オークション中心の流れ)

実際、中古車販売店ではどこで中古車を仕入れているのかと言えば多くがオークションです。

ここでは、オークションで中古車を入手する流れを説明します。

主戦場は木曜(例:USS東京)+平日各地の会場

中古車販売店の仕入れは、全国各地のオークション会場で行われています。

関東圏の販売店であれば、主な仕入れ先は以下のような会場です。

エリア主なオークション会場備考
関東エリアUSS東京、トヨタ系会場、USS埼玉、群馬など直接下見・仕入れが可能
遠方エリア名古屋、大阪、神戸、岡山など現地下見代行を活用

オークションはほぼ毎日のように、どこかしらの会場で開催されています。

特に木曜日はUSS東京でオークションが開催されるため、多くの販売店にとってメインの仕入れ日となっているのが特徴です。

名古屋・大阪・神戸・岡山といった遠方のオークション会場からも仕入れるケースがあるものの、その場合は現地の下見代行を活用することもあります。

オークション前夜のルーティン(夜の最終チェック)

オークション前日、出品車両が出揃う夜7時50分頃になると、仕入れ担当者は翌日の「候補車」をリストアップしていきます。

在庫が薄くなっている車種を優先しつつ、セレナのライダーやブラックライン、ベルファイアのモデリスタエアロなど珍しいグレードも拾うのがポイントです。

セレナはまだ台数が多く仕入れやすい一方、最近少ないのはトヨタのノアボクシー70系80系、エスティマの50系、フリードハイブリッド、ステップワゴン系です。

在庫があっても珍しい仕様であれば仕入れ候補に入れ、来店するお客さまにに楽しく選んでもらうための品揃えを意識しています。

仕入れの要は”下見”|点数だけで買わない理由

中古車販売店が中古車を仕入れる場合、要となるのが下見です。

評価点をメインに決めると思われがちですが、実際には異なります。

ここでは、下見の重要性や評価点の考え方について見ていきましょう。

店の方針:基本「全台下見」

品質にこだわる中古車販売店では、「全ての車を下見してから仕入れる」という方針を採用しています。

自分で見に行けないオークション会場に関しては、現地の下見代行を利用するのが一般的です。

下見代行の費用は、オークション会場によって異なり1台あたり税別2,000円〜5,000円程度がかかります。

一見するとコストに感じますが、外れを掴んでしまうリスクを考えれば安い投資といえるでしょう。

オークションにはクレーム制度があり、エンジンやミッションの故障であれば返品や部品送付が可能です。

しかし、その間は車を1ヶ月ほど無駄に置いておくことになり、仕入れ資金も拘束されてしまいます。

下見をしっかり行うことで、こうしたロスを未然に防止しているのです。

評価点(鑑定書)は”入口”でしかない

オークションでは、各車両に対して第三者検査員による評価点が付けられます。

5点、4.5点、4点、3.5点といった点数と、内外装の状態を記した検査表(鑑定書)が存在し、これが仕入れの入口となっています。

しかし、検査表には出にくい「臭い」「軽い異音」「内装の痛み」も残っているケースが少なくありません。

具体的には、以下のような問題が検査表に反映されにくいポイントです。

項目内容
下回りサビ・腐食評価点4点でも発生している場合がある
車内の臭い特にタバコ臭は検査表に反映されにくい
異音検査表に書かれない程度の軽い異音
内装のヘタリ細かい痛みや使用感
エンジン内部メンテナンス状態が分かりにくい

点数は参考程度に留め、最終的には現車を確認することが重要となります。

会場によって基準差がある(3.5が4になることも)

意外と知られていませんが、オークション会場によって評価基準には差があります。

ある会場では3.5点だった車が、別の会場では4点が付くということも実際に起こります。

内装評価もA・B・C・Dまでの会場と、A・B・C・D・Eまである会場では、同じ状態でも評価が変わってきます。

つまり、「低い=ダメ」「高い=安心」という単純な図式は成り立たないのです。

オークション当日|19台リストアップ→入札は半分以下→結果1台

事前に念入りに準備を行い、オークション当日を迎えます。

ここでは、オークション当日の流れやオークションの実情について紹介します。

現場で見送る典型パターン

「画面では良さそう」でも、現車で落ちるケースは珍しくありません。

下見の段階で候補が半分消えるのは、むしろ普通のことです。

オークション2会場を回って、朝から夜まで丸一日かけても、結果は1台という日もあります。

それでも「適当に仕事しない」という姿勢が、店頭品質を支えているのです。

買わなかった理由(実例まとめ)

実際にオークション会場で見送った車両と、その理由を一覧にまとめました。

車種見送り理由
ステップワゴン下回りが錆びていた
ステップワゴンエンジンに若干の異音(補機類か本体か確信が持てず)
複数台出品店の希望価格に届かず流札(競り負け)
ステップワゴン直すところが多そう+相場が高い(採算が合わない)
複数台下回り腐食(検査表に錆と書いてなかったが発見)
ボクシーステアリングコラム異音+タイヤ交換必要(修理費込みで採算合わず)
エリシオン下見の結果、板金が大変そうだった
セレナ装備がしょぼく、売値設定が難しい
フリードタバコ臭い(タバコも捨ててあった)
オデッセイ状態は良かったが、過去最高値ぐらいで競り負け
ベルファイア(TRDエアロ付)オイル消費対策がされていなかった
ベルファイア(後期ゴールデンアイズ)下見代行で確認後、見送り

特にトヨタ車でよくあるステアリングコラムの異音(ハンドル左右切った時のコトコト音)は、修理に中古部品を使っても7〜8万円程度かかります。

「直す前提の店」だと、こうした修理費用も見込んで仕入れ価格を決めるため、結果的に買えないケースが増えてしまいます。

翌日仕入れ0台の日もある|”買わない判断”が品質を作る

オークションにしっかりと準備して臨んでも、仕入れが0台で終わるケースも少なくありません。

ここでは、仕入れを見送った事例を紹介します。

見送り事例:タバコ臭は即アウト

車内臭は、写真や検査表では見抜きにくいポイントです。

特にタバコ臭は店頭で揉めやすい要素なので、最初から避けるのが賢明な判断となります。

タバコ臭のある車は、いくら見た目が良くても仕入れ対象から外すというのが、品質重視の店のスタンスです。

見送り事例:ベルファイア「オイル消費対策なし」で落選

トヨタの一部エンジンにはオイル消費問題があり、対策済みかどうかが重要なチェックポイントになります。

後期型でも対策済みと未対策が混在する期間があるため、見た目だけでは判断できません。

オイル消費対策の確認方法として、エンジン番号をチェックする方法があります。

対策してても過剰消費するケースもあるため、良く見極める対応を図っているのです。

仕入れた1台が店頭に並ぶまで|”仕上げ工程”が本当の差

見事にオークションで落札して仕入れることになった場合、そのまま店頭に並ぶわけではありません。

主に、以下のステップを踏んで店頭に並びます。

それぞれの流れについて、詳しくみていきましょう。

①入庫チェック(装備・動作・状態の再確認)

オークション会場で見た車両も、店に届いたら再度チェックを行います。

パワースライドドア、ナビ、ルームランプ、灯火類など細かい動作確認が入庫チェックの内容です。

パワースライドドアやナビの基本動作はオークション会場でもチェックするものの、もう1回お店帰ってチェックするのが入庫チェックです。

②整備(車検・消耗品交換)

仕入れ後、整備士目線で点検を行い、必要な部品を交換します。

この段階で問題が見つかれば、早期に対処できるのがメリットです。

仕上げで実施される主な作業は、以下の通りです。

作業項目内容
タイヤ交換ヒビが入っていれば交換(前後で銘柄を合わせる)
板金必要に応じて実施(評価点4点でも必要なら板金する)
ヘッドライト磨き黄ばんでいれば磨く、スチーマーでコーティング
小傷のタッチペン処理小傷をタッチペンで補修
エンジンルームの洗浄汚れを落として清潔な状態に仕上げる

タイヤについては、前後で銘柄が合わないのは不自然という理由で、国産中古タイヤで統一するなどにこだわるケースもあります。

③最終チェック(納車前にもう一段)

納車するまでに、再度以下3つのチェックを行います。

段階チェック項目内容
1入庫チェック細かい装備の点検
2整備工場出し前のチェック整備士目線で点検・必要な交換を実施
3車検上がり後の最終チェック納車前の最終確認

稀に納車前チェックで何かしらの不具合見つかることがあり、追加で修理してから納車するケースもあります。

基本的には3段階のチェックを実施しているため、最初の1、2回で大体何かしらの不具合を発見できます。

品質を優先するため、納期が延びることも厭わない姿勢が特徴的です。

最後は”第三者鑑定”で点数付け→展示へ

仕上げが完了したら、第三者の鑑定士に依頼して内外装の点数を付けてもらいます

仕入れ時のオークション評価点とは別に、仕上げ後の状態で改めて鑑定を受けることで、お客様に正確な状態を伝えられるようになります。

展示後は試乗も可能で、来店予約を経て実際に乗って確認できる体制が整っています。

読者向け|この記事から分かる「中古車購入で失敗しないコツ」

ここまでは、中古車販売店目線での仕入れの流れを説明しました。

仕入れの流れを知ることで、中古車を購入する際に活かせる知識があります。

ここでは、中古車購入で失敗しないコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

チェックの優先順位(初心者向け)

中古車を購入する際に確認すべきポイントを、優先順位の高い順に整理しました。

優先度チェック項目ポイント
1下回りサビ・腐食写真では分からない最重要ポイント
2臭いタバコ臭は強烈な減点要素(店頭トラブルの原因にもなる)
3エンジン異音補機類(オルタネーター、ウォーターポンプ等)か本体かを確認
4高額弱点の有無オイル消費対策、ステアリングコラム異音など車種特有の問題
5店のスタンス“直す前提”の店か、”現状販売”の店か(買い方が変わる)

基本的に、中古車は実車を自分の目で見てチェックするのがおすすめです。

中古車の場合、10万キロ経過した車や10年落ち、家族で使用していたファミリーカーなど、酷使されてる車も多いためしっかりと良し悪しを見極めましょう。

「安さ」の正体を見抜く

中古車の価格差には、理由があります。

安い車である理由は、主に以下が挙げられます。

安い車の理由
  • 下見コストをかけていない
  • 現状販売(そのままの状態で売る)
  • 仕上げが薄い

逆に、高い車である理由は以下の3点です。

高い車の理由
  • 仕入れで外れを避けている
  • 仕上げに手を入れている
  • 保証や整備が充実している

追加でオプションの整備プランや保証プランを付けるのではなく、最初から1番上のプランが総額に含まれている店もあります。

こうした店では、タイヤ交換なども整備に含まれていることが多いため、見積もり時に確認してみると良いでしょう。

まとめ

中古車は「オークション点数」より「現車確認+下見+仕上げ」が本質です。

仕入れで買わない判断ができる店ほど、在庫は増えにくいものの安心度は上がります。

購入側として意識すべきは、「この店は、どこまでチェックして、どこまで直して売るのか」を質問することです。

質問した内容に明確に答えられる店は、品質管理をしっかり行っている可能性が高いといえます。

中古車選びで失敗しないために、価格だけでなく「仕入れと仕上げの基準」にも注目してみてください。

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