カーセンサーやグーネット(Goo-net)でクルマを探していると聞き慣れないキーワード「オットマンチェア付」・・・一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
まるで人の名前や動物の名称のようにも聞こえる「オットマン」。
一体なんだろう?
「チェア」というくらいだからとりあえず椅子関係であるような気がする・・・
今回はそんな謎のベールに包まれた「オットマン」のお話です。
クルマで云う「オットマン」は主に「足が伸ばせる椅子」を指す
このような脚を伸ばしてリラックスできるシートをオットマンチェアと言います。
(写真はエスティマ50系のオットマンチェア)
まるでリビングルームのソファのようなシート
まるでリビングルームのオットマン付チェアと言っても過言ではない完成度だと思います。
このようなクルマに装備された本格的なオットマンチェアはこのエスティマ50系が元祖だと言えます。
(7人乗りキャプテンシートモデルのみ。8人乗りベンチシートモデルにはありません。)
2017年5月現在、新車販売されている、現行型アルファード・ヴェルファイア・オデッセイにも似たような「オットマンチェア」が装備されております。
ミニバンに装備されたオットマンのほとんどはレバー操作で格納展開ができます。
下記動画はエスティマ50系のオットマン格納展開の様子です。
オットマンの原型・エスティマ30系の2列目シート
時代を少々遡り(さかのぼり)まして、エスティマ50系の先代、エスティマ30系にもオットマンチェアと呼ばれる機能がありました。
しかし、これはリビングルームのオットマン付チェアやエスティマ50系のオットマンチェアのように「ふくらはぎ」を乗せる感じではなく、どちらかと言えばフットレストのような形状で、「足裏」を乗せるような作りとなります。
靴を脱いで座った時の足置きとして使うというユーザーも多くいらっしゃるようです。
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オットマンはミニバンだけではなく一部のセダン車にも付いている
写真はトヨタクラウンのオットマンチェアです。
左後席に座った人が左前席の背もたれに脚を貫通させる感じでオットマンとして使います。
またミニバンのオットマンチェアのような本格的なものが装備されているセダンも一部あります。
オットマン・名前の由来
18世紀後期のトルコで、ソファに座った際、脚を高い位置に置いてリラックスできるクッション付きの台が造られ、それは後にイギリスの家具デザイナー”トーマス・シェラトン”によってイギリスやアメリカで流行しました。
当時トルコは「オスマントルコ」と呼ばれオスマンは英語では「Ottoman」と書きます。
それを読んだ日本人が「オットマン」と発音したのが発祥と言われております。
フットレストとは何が違う?
一般的に「フットレスト」と呼ばれるものは主に下記写真のようなモノを指します。
クルマは走行中、常に前後左右上下と揺れが生じます。
ドライバーや同乗者は「揺れ」で身体が倒れないように無意識に踏ん張ろうとします。
その無意識の踏ん張りは想像以上に体力の消耗を伴います。
余談ですが、一昔前に大流行したただ跨って(またがって)いるだけで痩せられるという「乗馬型ダイエットマシーン」は「無意識の踏ん張り」を利用したダイエットなのです。
フットレストの目的は、足でフットレストを強く踏む事でシートの背もたれに腰を強く押し付け「踏ん張り」を楽にするためのモノとなります。
色々と調べた結果、筆者の結論としては、
- 「リラックス」する為の「オットマン」
- 「踏ん張る」為の「フットレスト」
という印象です。
ただ、中古車業界では両者に明確な定義がなく、例えば、エスティマ30系の「足置き」をメーカーであるトヨタは「オットマン」とカタログで公言しております。
まとめ
オットマンとはリラックスした姿勢で座る事を目的とした脚のふくらはぎを乗せる台である。
フットレストとは揺れる車内で身体が倒れないように足で踏ん張るための足裏を乗せる台である。
(と筆者は定義付けをしたい。)
ただし、実際の所、クルマ業界に両者に明確な定義が無く、足を乗せる台を一般的にオットマンと表現する場合が多くある。
「オットマン」(リラックスする為の足乗せ台付シート)はほとんどはミニバンの7人乗りキャプテンシートなどの上級グレードに装備されている。
また、オットマンの語源は18世紀後期にリラックスを目的とした足乗せ台を作ったオスマントルコのオスマン(Ottoman)と言われている。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
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